4月24日日曜日の診察時間です。心臓病・腎臓病の診断治療は静岡市清水区のみなとまちアニマルクリニックまでどうぞ。
こんばんは。大山です。
4月24日日曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 14時 から 18時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
今日は少し興味深い論文のご紹介でも。
『Xenotransfusion of canine blood to cats: a review of 49 cases and their outcome』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31867733/
簡単に書くと
わんちゃんの血液をねこちゃんに輸血した症例がどうなったか?というものです。
犬から猫への異種間輸血がどのような結果をもたらすのか?という報告ですね。
もちろん、本来であれば
猫ちゃんに対する輸血は猫ちゃんの血液を用いるべきであることは前提としてあります。
ただ、当院でもそうですが
いざ緊急的に輸血が必要になった犬さんや猫さんに対して
すぐに血液を確保するのが難しいことも多いのが現状です。
そこでこの報告では
緊急的にわんちゃんの血液を猫さんに輸血を実施したという報告になります。
結果として
24時間以内に死亡・安楽死となった猫さんは20%
24時間以上生存した猫さんのうちの64%で溶血による副反応が認められたとのことで
やはり異種間なだけあって副反応は相当な確率で認められるようです。
ただし、死亡した症例の死亡原因が異種間輸血によるものかどうかはわかりません。
輸血が必要な症例であったことを考えると
元々が重症症例であったと思われますし
仮に猫ちゃんから血液製剤を提供されていたとしても亡くなっていた症例も
一定数いた可能性もあります。
その点を踏まえて考えないといけないデータかなと思います。
この報告に関するポジティブなデータを述べると
退院後1週間以上生存した18頭のうち15頭で173日は生存が確認されています。
小動物臨床の世界で半年以上の生存期間を得られたというのは
すごいことのようにも思います。
この論文の結論的には
猫さんに対して犬さんの血液を輸血する異種間輸血は可能だけど
実施後1〜6日の間に副反応を認める可能性が高いよ、ということになっています。
もちろん飼い主様の同意なしでは実施することはいけない医療行為ではありますが
超緊急的な場面であり、かつオーナー様の同意の元であれば
最終手段の一つとしては候補の一つとして挙げることもできるものかもしれません。
医療は100%綺麗に物事が進むわけではありません。
時には泥臭く攻めていかないと救えない命というものがあるように思います。
今回の報告もそういった手法の一つかもしれません。
どんな時にでも推奨されます!というものではもちろんありませんが
あらゆる選択肢を模索して
1%でも命を救うことのできる可能性があるのなら
それに賭けてみるのも医療の形の一つなのかなと思います。
今日はこのへんで失礼いたします。
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