2月28日月曜日の診察時間です。全身麻酔について思うこと。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
2月28日月曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 17時 から 20時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
望月がアメブロの方で書いておりました
北海道の動物病院で起きた話には色々と考えさせられることがあります。
7ヶ月のトイプードルさんが去勢手術のために全身麻酔をかけた後から意識が戻らない、ということでした。
もちろん直接本人を診察しているわけではないので
何が原因でどういう状態なのか、詳細を知る術はありません。
ただその子の病状が良くなるのを祈るばかりです。
ただ、手術をした先生曰く
『今までの手術でこういった経験はない』と、書かれてありました。
僕が患者様の立場なら
『で?』ってなるなあと感じました。
経験がないから今後も起こることがない、というのは違うと思いますし
今までの経験の話をされても
そのご家族にとっては、その子がたった一人のかけがえのない命なわけです。
それまでどうだったかなんて聞きたくないなあ、と思いました。
また、1日一件の全身麻酔をかけるとして
仮に365日、正月やお盆も休むことなく全身麻酔をかけ続けたとしても
3年でおよそ1000件。
それを30年続けたからって10000件にしかなりません。
たった10000件の経験で何が言えるのでしょうか?
10000回何もなかったからといって、次に何も起こらないとは限りません。
実際にその先生がどのくらいの経験の方かはわかりません。
もっと多いのかもしれませんし、少ないかもしれません。
ただ、個人病院の一次診療に従事している獣医師の麻酔の経験なんぞ、たかが知れているように思います。
だからこそ、世の中には麻酔科医というものが存在するわけですし
動物医療の世界でも麻酔科医という存在が確かに存在します。
ただし、まだまだ全国的に数も多くはないですし
麻酔専門獣医師の恩恵を受けることのできる病院・地域は限られているように思います。
当院も麻酔に力を入れていおります、と言ってはおりますが
僕自身が麻酔科しか担当しない麻酔専門というわけではありません。
ですが、一般的な開業獣医さんよりは麻酔について勉強しているという自負はあります。
動物に対して全身麻酔をかけるという行為は
個人の経験では補いきれない場面が想定されるからこそ、麻酔について学ぶことを続けるのだと思います。
そうやって、何があっても対応ができるようにできるだけ多くの選択肢・引き出しを用意しておくことが重要だと考えております。
全身麻酔をかける上で大事なことは、事前に準備をしておくことです。
ありとあらゆる合併症に対する準備を怠らないことこそが
全身麻酔の安全性を100%に近づける上で最も大事なことの一つだと思います。
今回の記事で、これから全身麻酔をお考えの方への不安を煽るようなことになってしまっていたら申し訳ありません。
ただ、100%安全な麻酔というものはやはり存在しません。
僕たちができることは、それを100%に近づけていくための努力だけだと思います。
もし、全身麻酔に関して、何かお悩みのことなどあれば
当院まで直接お越しいただき相談していただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。