12月26日日曜日の診察時間です。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
12月26日 日曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 14時 から 18時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
今年も残すところあと一週間となりました。
昨年同様、今年も色々なことがありました。
個人的には、『生きることの意味』や『命の尊さ』なんかを深く考える機会が多い一年だったように思います。
僕たちの仕事は、わんちゃん・ねこちゃんに動物医療を提供することです。
そこには健康診断やワクチンなどの予防医療から
重症症例の救急・集中治療まで含まれます。
ですが、いずれにせよ、命あるものいつかは尽きるものです。
不老不死にすることはできません。
それは人間も例外ではなく、命あるもの皆同じだと思います。
その限りある命というものを
それも人間と比較すると4分の1程しかない命の期間というものに介入し
少しでも長くするのが僕たちの仕事だと思っています。
ただ、人間と比較するとそもそもの寿命というものが短いということもあり
医療介入による命の延長期間も人間と比べると短いものとなります。
わんちゃんで一般的に認められる多中心型リンパ腫。
最も多く認められるタイプの場合、無治療だと中央生存期間はおよそ1〜2ヶ月。
25週間の抗がん剤治療をすることで、それを1年に延ばすことができます。
同じく犬さんの脾臓の血管肉腫。
大抵は、破裂しお腹の中で出血した状態で見つかることが多いものですが
出血性のショックの中で、無事に脾臓摘出手術を乗り切った子の生存期間はおよそ1ヶ月。
その後、2〜3週間に一回の抗がん剤治療を合計6・7回することにより、6〜8ヶ月に延ばすことができます。
人間の平均寿命と比較すると、すごく短く感じられると思います。
ですが、むしろこれらの例は良い方かもしれません。
場合によっては、治療介入しても一ヶ月、一週間、一日、数時間しか延ばせないことも数多くあります。
そういう話をすると
『治療してもどうせ数ヶ月しか延ばせないならやる意味ないじゃん!』とか言われそうな気もしますし
実際、自分がやっていることは意味のないことなのかなと思い悩んだこともありました。
結局亡くなるのなら何もしない方がいいんじゃなかったんだろうか?とか
動物病院に来ることで逆に可哀想なことをしてしまったんじゃないだろうか?とか色々と。
ですが、今年、一人の飼い主様からあるお言葉をいただきました。
その子は他の病院さんで治療を受けるものの、悪くなる一方で当院にセカンドオピニオンとしていらした方です。
当院で治療をさせていただく中で
一時的にではありますが、状態が改善し、食欲や元気さを取り戻してくれました。
しかし、残念ながら病態の改善は1週間ほどと本当に一時的であり
結果的には、当院に来てくださってからわずか2週間で命を落としてしまいました。
せっかく当院に来てくださったにも関わらず、そういった結果となってしまい
僕としては申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが
そんな僕にご家族から
『ほんの短い間でしたが、以前のような元気な姿に戻ってくれて
私たちには1週間という時間が、まるで何ヶ月・何年というような、かけがえのない時間に感じられました。』
というお言葉を頂きました。
このお言葉をいただいてから、自分の中で何かが変わったように思います。
人は、当たり前になったものの尊さを普段は享受しようとはしません。
失いそうになって初めてその有り難さに気づくことも多いかと思います。
いつ命を落としてもおかしくないという状況を認識することで
一日一日の尊さというものに気づくのだと思います。
そういった時の『1日の価値』というものは、何ヶ月・何年にも匹敵するのだということを教えていただきました。
僕たちの仕事は、そんな価値のある1日を作り出せる仕事の一つなんだ、と気づかせてていただいたことで
今までの悩みはどこかに吹っ飛んでいて
誰に何と言われようが
犬さん・猫さんとそのご家族の価値ある時間を作り出すことができるのなら
僕はとことん医療を提供し続けていきたいなと思います。
相変わらず、拙い文章ですみません。
言いたいことが伝わっているのかどうか、若干の不安が残りますが
少しでも伝わると嬉しいです。
ご家族がご希望される限り最後まで諦めずにとことん動物医療を提供しようとする
みなとまちアニマルクリニックは、そんな動物病院です。
それが伝われば、それでいいかなと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。