12月17日 金曜日は通常の診察はお休みとなります。猫ちゃんの慢性腎臓病と歯科疾患について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
12月17日 金曜日は通常の診察はお休みとなります。
再診予定の方のみの診察となりますのでご了承ください。
また、合わせて連絡です。
以前からお伝えしておりました通り
12月18・19日は獣医循環器学会出席のため大山不在となります。
いずれも望月の診察となりますのでよろしくお願いいたします。
本日は猫ちゃんの歯科治療について思うところを書いていきたいと思います。
猫さんの歯周病や歯肉口内炎の詳しい内容については
望月が以前にアメブロの方に書いておりますので
そちらをご覧ください↓
https://ameblo.jp/minatomati9582/entry-12695428300.html
ここからは僕的な視点から猫さんの歯周病や歯肉口内炎について書いていきたいと思います。
当院は、腎臓病の診断・治療には力を入れておるつもりですので
猫ちゃんの慢性腎臓病のご相談を受けたり
実際に他の動物病院さんで見放された子がセカンド・サードオピニオンを求めて来院される場合も多いです。
特に血中尿素窒素(BUN)の値が200近かったり
クレアチニン(Cre)の値が10を超えていたり
食欲も廃絶、体重も激減という
もうあと数日もたせることができるのかな?どうかな?というような状態でいらっしゃる場面も多いです。
そのような子を入院下で治療する時に良く感じるコトとして
口を痛がるかどうか?が結構予後に大きく関わるような気がするんです。
口を痛がっている子の方が良くない転機を辿るイメージということです。
というより実際そうなんでしょう。
慢性腎臓病の進行により口内炎が出てくることは昔から言われておりますし
歯肉口内炎による口腔内の炎症も腎臓に悪影響を及ぼすとされております。
つまり、歯科疾患と腎臓病の双方がお互いの原因と結果になりうるというわけです。
ここで大きな問題点がありまして
歯科疾患の治療となると
やはり全身麻酔下でのスケーリングや抜歯などが必要となることも多いです。
ですが、猫ちゃんは慢性腎臓病の末期or急性増悪状態のいずれかで危険な状態。
この子に全身麻酔をかけてでも歯科治療をするのですか?というお話になるわけです。
結論、その子その子で違うでしょう、と言ったらそれまでなんですが
その症例によるとは思います。
歯科処置をすることで、再び自分で食べることができるようになり
腎臓の数値が高くても、それなりに予後が期待できるのであれば
僕は全身麻酔をかけて歯科処置をする方が良いのだと考えます。
逆に、歯科処置をしても大きな改善をする可能性が低く
自力摂食ができない可能性が高いのであれば、やるべきではないのかもしれません。
そこは、獣医師と飼い主様との間できっちり相談するべき内容だと思います。
個人的には、腎臓病の子の麻酔というものは
そこまですごく恐れているということはなく
術前の水和状態・栄養状態をきっちり管理して
術中の血圧管理・疼痛管理などをきちんと行い
術後も水分の調節をこまめに行っていく。
そういったことに尽きるのかなと考えています。
別に、腎臓病の子が特別というわけではなく
上記に挙げるようなことは、去勢手術や避妊手術を受ける健康な子でも同じようにやるべき対策だと思います。
そういった全身麻酔によって無事に処置を乗り切ることができれば
結果として腎臓病への良い影響をもたらす可能性もあると思いますし
何より自力で食べる量を確保でき、水分摂取を維持できるということが
腎臓病の治療にも繋がることだと思います。
というわけで、相談の末、歯科処置をやると決めた子に関しては
当院では徹底的に準備して処置にあたるように心がけております。
もちろん100%の準備をすれば100%合併症を防げるというものではありません。
絶対に安全な麻酔などないように
絶対に成功する手術などありえないと思います。
ですが、そこを如何に絶対に近づけていくか?が大事であり
その準備を怠ることは合併症のリスクを上げることに繋がります。
ごめんなさい。
本当はこういうことが書きたかったわけではなく
歯が悪いと感じたら、できるだけ早期に治療介入してあげる方が良いということを書きたかったのです。
全身麻酔下での歯科処置の介入が遅れれば遅れるほど
治療成績も低下するというようなデータも散見されます。
早めに治療介入してあげることで
結果として将来腎臓病になってしまった時に、口の痛みで苦しまなくて済むかもしれませんし
全身状態が良くない状態での全身麻酔をする必要がなくなるかもしれません。
歯科疾患の予防・治療は早期介入が大切です!!
ということを書きたかったのに、なぜか違う方向に話が言ってしまいました。すみません。
以上をまとめると
当院のスタンスとしましては
慢性腎臓病などの重症な状態であったとしても、必要であれば全身麻酔下での歯科処置に臨みます。
ただ、歯科疾患に関しては早期発見・早期治療介入が大切ですよ!
という感じです。
歯科処置用のデンタルユニットを導入してから
歯科処置をする機会が格段に増えました。
実施させていただいた子達の成績も良好なように感じております。
猫ちゃんの歯科疾患・腎臓病・全身麻酔などでお悩みの方がいらっしゃいましたら
静岡市清水区のみなとまちアニマルクリニックまでご相談ください。
よろしくお願いいたします。
それでは今日はこのへんで。