10月31日日曜日の診察時間です。猫さんの催吐処置について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
10月31日 日曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 14時 から 18時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
昨日の犬さんの催吐処置に続いて
今日は猫さんの催吐処置について書いていきたいと思います。
犬さんと比較して猫さんの催吐処置を行う場面は少ないかもしれません。
ですが、一年の間に何度かそういう場面には出くわしますし
当院でも今年は2人の猫さんに催吐処置を行っております。
わんちゃんの場合に使う薬剤は
昨日のブログで触れたようにトラネキサム酸やアポモルヒネというものになりますが
猫ちゃんで一般的に使用されている薬剤としては
メデトミジンという薬剤が使用される場面が多いです。
メデトミジンは元々、α2作動薬という薬剤でして
鎮静や鎮痛を目的として使用する薬剤になります。
そのため、副作用としては鎮静が挙げられます。
また、催吐の成功率も大体60%ぐらいと、犬さんと比較してそこまで高くありません。
そこが猫ちゃんの催吐処置を行う上で、わんちゃんと比べて難しいところかなと感じております。
このブログを読んでらっしゃる方の中には
オキシドールはどうなの?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、昔はオキシドールを飲ませて吐かせるという処置が実際に行われていた時代があるみたいですし
実際にそういう処置をされている先生の話も聞いたことはあります。
僕自身は犬さんでも猫さんでもオキシドールを使った催吐処置というものを経験したことはないのですが
オキシドールってめっちゃ胃が荒れるらしいんですね。
場合によっては、胃内の出血がひどすぎて吐血を繰り返す子もいるみたいです、
過去には、それによる猫ちゃんの死亡例も報告されています。
そんな危険な処置、想像しただけでやりたくないですよね。
というわけで、オキシドールを使用した催吐処置というものは現在は行われなくなっております。
じゃあ、結局猫ちゃんの催吐処置の薬剤としては何がいいの?となるわけですが
そこの結論はまだ出ていないわけでして
明日の症例発表甲子園決勝大会では
それが大きなテーマとなるみたいです。
各施設での実際例などの話を聞くことで
もしかしたら何か新たな見解なども生まれるかもしれません。
というわけで、実際のところ
猫ちゃんに催吐処置というものは
やらないでいいなら、やらない方が良いに決まってますので
わんちゃんの場合もそうですが
そういう状況を作らないのが一番良いことだと思います。
猫ちゃんに腸閉塞を引き起こす異物としましては
先におもちゃなどがついたヒモ状異物なんかが多いように思います。
過去には、新聞紙を大量に食べて詰まった子や
猫砂を食べ過ぎて腸閉塞で亡くなった子の経験もあります。
猫ちゃんの中毒物質としては、ユリ系の植物やネギ類などでしょうか。
特にユリは本当に危険です。
葉っぱ一枚で亡くなる子もいますし
ユリを生けていた水を飲んだだけでも急性腎障害を引き起こし亡くなる可能性があります。
腹膜透析や血液透析まで行っても助けられないことも多い本当に危険な中毒物質です。
ご自宅でお花を飾られているご家庭などは特に注意が必要です。
昨日、今日と犬さん・猫さんの催吐処置について書かせていただきました。
こういった話題は意外と身近な問題であったりもするので
また取り上げたいと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。