膵外分泌不全のわんちゃん
11月の初めに
1ヶ月以上、軟便が治らないわんちゃんが来院されました。
食欲はめっちゃあるけど
食べても食べても出ちゃう
そんな感じの症状で
13kgあった体重が10kgちょどぐらいにまで低下。
うちで検査をさせていただく頃には9.6kgまで下がってしまっておりました。
二、三週間続く消化器症状を慢性腸症と呼んだり
慢性炎症性腸疾患と呼んだりして
いわゆる、食事に反応するのか、ステロイドに反応するのか、みたいな感じで
分類していくことが多いです。
ただ、その鑑別に入る前に除外しておかないといけない疾患がありまして。
それが、今回の膵外分泌不全という病気ですね。
文字通り、膵臓の外分泌機能が上手く作用できない
つまりは本来膵臓から分泌されるはずの消化酵素が上手く分泌されないという疾患です。
消化酵素が分泌されないので
食欲はあり、食べてはくれますが、消化ができないので
食べたものを上手く吸収できず、未消化なものが便となってしまいます。
国家試験なんかでも良く出る問題的な感じで出題されるものなので
新卒の獣医さんや獣医学生さんとかでも、みなさんご存知の・・・という感じではあるものの
数としてはそんなに多くはないせいか
たまに忘れられることもある疾患な気がします。
今回の子もまさにそんな感じで
外注検査でTLIという数値を測定したら
完全に膵外分泌不全の診断基準を満たしており
直ちに消化酵素製剤の治療を開始しました。
鑑別にきちんと入っていれば
診断自体はそんなに難しくない疾患だと思いますし
治療も、分泌されない消化酵素を補うことがメインとなりますので
治療反応も比較的良く、予後も良い疾患だと思います。
今回のわんちゃんも
一時的に体重が10kgを切ってしまいましたが
1ヶ月ほど経過した今日の診察では11kgを超えてくれていました。
最初の頃は痩せていて肋骨も触れやすいような状態でありましたが
だいぶ肉付きも良くなってきたような感じです。
慢性的な消化器疾患の中の鑑別疾患として
忘れてはならない膵外分泌不全という病気の紹介でした。
食べても食べても痩せていってしまうというのは可哀想ですしね。
きちんと見つけてあげたい病気の一つかと思います。
それでは、今日はこのへんで。
近医で何の検査もなく、下痢止めが効かないから食事療法しましょう的な感じで1ヶ月近く過ごし、症状が改善しないまま、どんどん痩せていくうちの子を見て不安で不安でたまりませんでした。
セカンドオピニオンのつもりでこちらの病院を受診したところ、アッサリ、割とアッサリ、最初の段階で「膵外分泌不全」の可能性を指摘され、何だかホッとした事を思い出しました。
説明も分かりやすくして下さり、腑に落ちた〜という思いでした。
確定診断され、治療が出来て症状が改善!
本当に本当に感謝しております♪
>koharu様
コメントありがとうございます!
勝手にブログに取り上げちゃってすみません。
体重が増えてきてくれていることがあまりに嬉し過ぎたので書いてしまいました。
投薬は必要ではあるものの、治療ができる病気で改善も認められ本当に良かったなって思います。
嬉しいお言葉をありがとうございました。