高齢の犬猫さんと腎臓病の犬猫さんの全身麻酔
当院は、麻酔のご相談を受ける機会が少なくありません。
17歳だから全身麻酔はちょっと難しいですねー、だったり
慢性腎臓病があるから全身麻酔はできないですねー、だったり
私たちは手術を前向きに検討したいのですが
やってもらえないんです、というご相談が比較的多い気がします。
ご家族が手術をやりたいという意向であれば
ぜひその意向を叶えてあげたいわけでありまして
結果的に何事もなく無事に手術が終わりました、という状況を作りたいんですね。
ただ、やはり高齢の犬猫さんともなると
何かしらの基礎疾患を持つことも少なくないですし
臓器の予備能力みたいなのも、やはり若い子達と比較すると低下している可能性はあります。
また、慢性腎臓病をすでに持病として持っている犬猫さんについては
術後に急性腎障害になるリスクはやはり健康な子達と比較して高くなるわけなので
そういった合併症の発生をよりゼロに近づけるための努力は必須だろうと考えています。
とは言うものの
きちんとモニタリングを術前からやったり
腎臓に悪影響を与える薬剤の使用を避けたり
血圧の管理を徹底的にやったり
疼痛管理も徹底的にやったり
水和状態を術前から術後にかけてしっかりと管理したり
と、文字にしちゃえば当たり前のことも多いのですが
当たり前のことをめんどくさがらずにちゃんとやる、というのが
1番大事な気がしております。
人間って面倒なことは好きじゃないですしね。
1番楽なのは、腎臓の数値が高いから麻酔は無理ですね、と予め断ることなのかなって思います。
それだったらリスクも負わなくて済むし
ややこしいことを考えなくて済むので。
でも、手術を断られた方とお話をする機会が多いから
そう感じるだけなのかもしれませんが
せっかく治せるチャンスがあるのに、できないというのは何とも可哀想ですし
ご家族としても何かしらの後悔が残ることが多いのかなって感じます。
だから、自分はできればどんな子にでも麻酔をかけてあげて
手術を受けることを実現させてあげたい気持ちは強いのですが
それでもやっぱりリスクのある手術の前は
やるって言わなければよかったな、とか
自分が麻酔かけなくても他の病院の誰かがやってくれるんじゃないか、とか
そういうネガティブな思考に埋め尽くされてしまうのが正直なところ。
麻酔を怖いと思うのは、準備不足だからだよ、とか言われたこともありますが
いや、どんだけ準備しても怖いもんは怖いでしょ、って僕は思います。
怖がるから準備もするし、良い緊張感も得られるし
何かあっても対応ができるんじゃないかなとも思っています。
まあ、考え方は人それぞれですね。
実際、先週から今週にかけての一週間で
手術前は何ともなかった子が
麻酔・手術の後から急性腎障害・慢性腎臓病になってしまいましたという
セカンドオピニオンの症例が2件続きました。
犬猫さんでそれぞれ1件ずつですが
やっぱり身近に起きているのだと思います。
次に起こるのが自分の動物病院にならないように頑張らないといけません。
明日も明後日も明明後日も
そんな手術が続きますが
精一杯の努力と準備で乗り切りたいと思います。
それでは、今日はこのへんで。