慢性腎臓病の定義
5月にフィラリア検査を主訴に来院された犬さんがいらっしゃいました。
13歳のトイプードルさんです。
フィラリア検査の時に、健康診断的な意味合いも込めて
全身の血液検査も実施しました。
結果
BUNが42.9ng/dl
Creが2.35mg/dl
と、高窒素血症を認めました。
一年前の血液検査はBUNが31.9でCreが0.80だったので
明らかに高値になっておりました。
でも、何の症状もありません。
一応、エコーで腎臓の画像は確認。
明らかな異常はありません。
ここで
腎数値が高いから慢性腎臓病ですねってなって
フォルテコールを処方するのが昔ながらのヤブ医者的獣医さんなわけですけど
特に現状、症状もないですし
そこは慎重に考えた方が良いかなと思うので
とりあえず、尿検査を実施することにしました。
で、後日の尿検査。
タンパク尿は検出されず
尿比重は1.0279。
うーん、微妙な感じ。
腎臓病にしては、尿が濃すぎる気が。
ということで、5月の血液検査からちょうど一ヶ月後ぐらいに
再度血液検査をさせていただくことにしました。
結果は
BUN 28.5mg/dl
Cre 1.16mg/dl
確かに去年よりはCreが高いかもしれないけど
一昨年は1.10だしなあ、ってことで
明らかな慢性腎臓病とはしませんでした。
5月の時は一時的な腎障害みたいなのがあったのかもしれないので
厳密にはIRISステージ1には該当するのかもしれませんが
慢性腎臓病の定義として
持続的な腎機能の低下を証明することっていうのは大事だと思うんですね。
正直なところ
5月の時点では、年齢的にもこの子は慢性腎臓病なんだろうなあって
僕も思っていたんですけど
ちゃんと診断においての裏付けをとることって大事だなって改めて思いました。
健康診断で血液検査を実施することは
すごく大事なことだと思いますし
病気の早期発見にもつながるとは思いますが
結果をどう解釈していくかもやっぱり大事だなって思います。
検査はただやれば良いってもんではないですね。
それでは今日はこの辺で。