フィラリア・ノミ・マダニ予防薬の比較
先日のブログにコメントをいただきました。
当院における犬さんのフィラリア予防薬も
今ではフィラリア症・ノミ・マダニを一剤で予防できる
いわゆるオールインワンタイプの予防薬が多数を占めております。
ただ、種類が複数あって何が違うのか書いて欲しいってことだったので
今日のテーマはそれにしようかと思います。
実際にそういうご意見をいただけますと
ご家族様がどういった情報を求めておられるのかが分かりますので
物凄くありがたいです。
コメントいただき本当にありがとうございます。
それでは本題に入りますが
以下は、あくまで僕の個人的な意見なので
薬剤の優劣を述べているわけではありません。
その点をご理解いただいた上で、参考にしていただければと思います。
犬さん用のフィラリア・ノミ・マダニの飲むタイプの合剤として
今一般的に流通しているのは
『ネクスガードスペクトラ』
『クレデリオプラス』
『シンパリカトリオ』
の三つなのかなと思いますので
この三つをどうやって使い分けているかを書いていこうと思います。
僕が知らないだけで他にもあったらすみません。
この三つの中で一番歴史があるのは
ネクスガードスペクトラになります。
クレデリオプラスが出てきたのが3年前?くらいで
その一年後にシンパリカトリオが跡を追う形で登場してきた感じだったと記憶しております。
(いつ発売とかはあんまり今回の論点ではないので、そこら辺は曖昧ですがスルーしておいてください。)
効能的な違いを述べさせてもらうと
僕がメーカーさんから説明を受けた感じだと
クレデリオプラス・シンパリカトリオの両方は新しい系統の薬剤になりますので
寄生したマダニを落とすまでの時間が短くなっております。
なので、わんちゃんが散歩中にマダニに噛まれてしまいましたってなった時に
普段こういった予防薬を飲んでいない場合に
何を飲ませるのが良いですか?ってなった時はこれら二つのどっちかが良いのかもしれません。
というより、マダニメインで考えるのであれば
合剤じゃなくて、フィラリア予防成分の入っていないクレデリオとかシンパリカで良い気もしますが。
ただ、マダニが早く落ちるよっていうメリットも
ずっと毎月真面目に飲んでいる犬さんは1ヶ月間ずっと薬剤が効いているわけですので
どの薬剤だろうとあんまりそこに差はないように思います。
なので、正直僕が選ぶポイントは大きく二つです。
一つは現在の体重。
体重によってどのお薬も薬剤のサイズが変わるわけですが
その体重幅が薬剤によって異なります。
例えば
ネクスガードスペクトラ11.3の対象体重は
1.8kgから3.6kgまで
クレデリオプラスSの対象体重は
1.7kgから2.8kgまで
シンパリカトリオXS
1.5kgから2.6kgまで
となっています。
わんちゃんも生きている動物なので
生きていれば多少体重の増減があります。
なので薬の体重幅の下限だったり上限だったりの子には
サイズが変わる可能性があるので勧めにくいわけですね。
例えば体重3.5kgの子にはクレデリオプラスを勧めますし
体重が2.6kgの子にはネクスガードスペクトラを勧めるといった、そんな感じですかね。
シンパリカトリオは体重の下限が一番小さいので
1.6kgとかの超小型犬の子にはおすすめかもしれません。
あと選ぶポイントのもう一つが嗜好性です。
毎月あげる薬なので、飲んでもらいやすいことに越したことはないわけで
飲んでくれないことはご家族のストレスにも繋がってしまいます。
どのメーカーさんも自社のやつは嗜好性が良いとは言いますが
実際そんなことはないように僕は思いますので
そこら辺はご自宅のわんちゃんに聞いてみてください。
ネクスガードスペクトラは
大豆をベースとした牛肉風味のソフトチュアブルタイプのお薬なのでおやつっぽい感じです。
クレデリオプラスは
豚肝臓などから作られておりますがビーフフレーバーがついた錠剤タイプのお薬です。
シンパリカトリオは
ミートフレーバーチュアブル錠とされているお薬です。
それぞれわんちゃんの好みは分かれると思いますので
嗜好性は試してみていただいて、って感じになるかと思います。
こんな感じの比較になりますが
結局は体重と嗜好性が一番なのかなと僕は考えています。
きちんと効果のある量を飲んで、続けられないとあんまり意味がないと思いますので
そこを重視しています。
正直、きちんと続けてさえいただければ
薬の効能としてはどの薬剤もちゃんと作用してくれる印象を持っておりますし
安全性も比較的高い系統の薬剤達だと考えておりますので
薬剤の比較というよりは商品の比較みたいな感じになってしまっていますが
あくまでも僕の意見なのでご容赦ください。
それぞれの動物病院さんで、推しの予防薬も違うと思いますが
薬の効果とか安全性だけでなく
実際は、薬の仕入れ値だったり、値上げがあったかどうかとか
どれが一番儲かるのかってところも考えておられる先生も多いと思います。
そこら辺も病院によって推す薬剤を決める大事な要素だと思いますが
赤裸々にそこを書くとさすがに怒られそうなのでやめておきます。
とりあえず、うちの動物病院は
体重と嗜好性の二つを選択基準として続けやすいものを選んでいただいている感じです。
フィラリア・ノミ・マダニ合剤の比較に関しては以上になります。
こうやってご意見いただいたことに対して
ブログを書くのって良いですね。
長くなりましたが、この辺で今日は終わりとします。
また何かございましたら、ご意見いただければと思います。
それでは。
先日コメントした者です。さっそく取り上げていただきありがとうございます!参考にさせていただいた上で、本日みなとまちさんにお伺いし、お薬を頂きました。
YouTubeも拝見しているのですが、以前望月先生が紹介してた口腔ケア用品をここ一ヶ月ほど試していて、愛犬の口臭がかなり改善されたので、家族で喜んでます。いつもタメになる情報を発信してくださり助かります。これからもよろしくお願いします。
>花粉が辛い飼い主様
コメントありがとうございます。
お薬も取りに来ていただいてありがとうございました。
記事が参考になって何よりです。
Youtubeやインスタグラムなんかにも
何かご意見などございましたらいつでもおっしゃっていただければと思います。