挑戦
挑戦には挫折や失敗が付き物です。
今までにやってこなかったことをやろうとするから挑戦なわけで
今までやったことないんだから
成功するかどうかはわからないのは当たり前です。
挫折が嫌なら最初からやらなきゃ良い話であって
挑戦しなければ失敗なんてありません。
でも、やっぱり前に進みたいじゃないですか。
せっかく良くなるかもしれないチャンスが目の前にあるんだったら
挑戦してみたくないですか?
勤務医一年目の時に
目の前にみいすけ君という胸水の貯留で苦しむ猫さんがいて
そこには胸水を抜いた経験がない獣医師である僕がいて
僕の後ろには院長がおりました。
今では世の中の流れ的にアウトなのかもしれませんが
僕が勤めていた動物病院は
典型的な『見て覚えろ』精神の病院だったので
手取り足取り教えてくれる状況なんていうのはなくて
初めてやる処置の時は、今まで自分が見てきたものや学んできたものから
見よう見まねで挑戦するような感じでした。
後ろで院長が見ててくれるというのが優しさだったんだと思います。
初めて胸腔穿刺をする時
院長は
『どうせそこで針を刺さんかったら亡くなるんやから、さっさと抜いたったら良いねん』と言いました。
確かにその通りだと思います。
目の前に胸水からの呼吸困難で苦しんでいる猫さんがいて
胸水を抜かないという選択はありません。
ここでチキって、できないんで代わりにやって下さいと誰かに頼んでいては
永遠にできることはありません。
いくら胸腔穿刺といえど、合併症が起こらないわけではないのでリスクはもちろんあります。
でも、やらないと始まらないことってあると思います。
挑戦して結果的にあまり良好な感じでなかった時は、確かに凹みます。
相当落ち込みますが
それでも、その次に助けられるかもしれない犬猫さんがいるのであれば
これからも挑戦し続けたいと思います。
それでは、今日はこのへんで。