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リキッドバイオプシーとがん検診

昨年の11月にブログに書かせていただいた

リキッドバイオプシーという

採血をすることでがんを発見できるかもしれない検査について

本日コメントをいただきまして

そちらには返信させていただいたのですが

せっかくなので、ちゃんとその後の経緯をブログにも書いておこうと思います。

11月の時点では

検査の導入にあたっての初期費用がかなりかかってしまうという難点があり

すぐの導入は難しかったのですが

その後色々な動物病院さんから同様の意見があったみたいで

検査会社さんが簡易検査キットを作製してくださり

初期の負担をそこまでせずに検査が導入できるようになりました。

なので、当院でもこのリキッドバイオプシーを実施することは可能となります。

ただ、検査に際しまして色々と準備がいりますので

ご希望の方は予め連絡いただきたいのと

連絡いただいた後に少しお時間をいただく形になるかと思います(おそらく一週間ぐらい?)。

病院さんによっては

『がん検診』みたいな感じで

健康診断のような形で導入されているところも増えているみたいです。

現在、検査が可能なのはわんちゃんのみで

腫瘍の種類は、肝臓ガン、尿路上皮がん、悪性リンパ腫、口腔内悪性メラノーマ、肥満細胞腫の5種のみです。

検査費用は

5種類の検査すべて:55000円

1種類のみの検査:20000円/種 となります。

採血、血清の作製、RNA安定化作業、検査キット代、輸送費用、検査費用などを考えると

ご家族の負担はこのぐらいになります。

結構高いですよね。

ここからは完全に個人的な意見になりますので

話半分で読んでいただければと思うのですが

正直な話、他の検査にてちゃんとそれらの悪性腫瘍だと診断がついている子で

本当に確実に陽性になることを何回か確認してから

皆んなにおすすめしたい、という気持ちがあります。

もう少し費用が抑えられるのであれば

気軽ながん検診みたいな感じでやってもいいなと思うのですが

本当にちゃんと検査にひっかけてくれるの?という思いが心のどこかにあって

強く推奨できていないという現状があります。

例えば、この検査を5月にやったとします。

で、結果はすべて陰性で安心安心と考えていたところ

12月に頻尿傾向になり

検査をしてみると尿路上皮がん疑いとなりました。

みたいなことは起こらないんでしょうか?とか思いますよね。

たぶんありうると思うんですね。

確かに5月時点ではがん細胞は存在しなかったのかもしれないです。

けど、ご家族としては春にチェックした時は何もなかったのに・・・

ってなって余計に落ち込んでしまったりしないんだろうか?とか思うわけです。

でも、それは他の健康診断も同じでしょ?ってなるかもしれません。

確かにそうです。

4月に健康診断しても10月に病気になることだってありえますし、実際にあります。

ただ、この検査で悪性腫瘍を2種類チェックするだけで

当院の健康診断のフルセットの費用を超えてきてしまうんですね。

そうなるとどっちが良いのかな??となるわけです。

あとはがん検診として使用するなら、どのくらいの頻度でやるのが適当なのか?

そこらへんもまだ未知数の検査な気がしております。

そういう色々な疑問や可能性も踏まえた上で

検査をするのであればすごく良いと思います。

実際に検査会社さんが公表している感度と特異度なのであれば

おそらく悪性腫瘍を発見するきっかけになりました!という報告も出てくると思います。

そういう子には間違いなくポジティブに働くとは思うんですよね。

検査って、実施すること自体はそんなに難しくないものも多いです。

今回のリキッドバイオプシーに関しても

採血さえできれば誰だってできる検査なので、手軽な方だと思います。

だからこそ、どういうタイミングで検査を実施するのか?

結果をどのように解釈するのか?

という点が非常に重要な検査かなと思います。

今僕が考えているのは

悪性リンパ腫の抗がん剤治療後のモニタリングとして

再発のチェックなんかに使えないかな、というのが一つと

上記の悪性腫瘍の発生が比較的多く見られるような犬種さんでのがん検診的な位置づけでの使用が一つ

あとは、検査会社さんの説明とは使用用途がややずれるかもしれませんが

その悪性腫瘍が疑わしいけど

確定診断するのはハードルが高いような症例での診断補助的な役割にならないかな?というのもあります。

とにかく何とか実際に検査を実施する症例数を増やしていくのと

そういった報告がないか耳を澄ませておくのと

自分の気持ちの中で、ちょっとずつ検査を勧めたくなる方向に持っていくしかないですね。

もしこのリキッドバイオプシーの検査をご希望の方は

ご連絡いただけると幸いです。

すごく個人的な願望ですが

猫ちゃんのリンパ腫とかで検査ができるようになれば

もっと検査が普及するように思うんですけどね。

それでは、今日はこのへんで失礼いたします。

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