みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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犬さん・猫さんの慢性腎臓病について〜番外編〜

連続で4回とも慢性腎臓病についての記事で

そろそろ飽きてきているとは思うので

今日は番外編ということで

慢性腎臓病の検査とか治療薬とかからは少し距離を置いて

慢性腎臓病の管理について書きたいと思います。

高血圧や蛋白尿、ミネラル代謝異常の管理なんかもすごく大事なポイントではあるとは思います。

でも、やっぱり慢性腎臓病の管理で一番大事なのは

脱水にならないように管理することだと思います。

『だから皮下点滴を続けるんでしょ?そんなの知ってるよ。』とおっしゃる人もいるかもしれません。

残念ながら違います。すみません。

いくら皮下に乳酸リンゲル液や生理食塩水を点滴したところで

細胞の外に水が入るだけで、細胞内に水は入りません。

なので、予防的に皮下点滴をしても細胞内脱水の予防にはなりません。

細胞内の脱水を防ぐために必要なのは、自分でしっかり水を飲んでもらうこと・食事を取ってもらうこと、です。

『食べること・飲むこと』っていうのは、腎臓病を管理する上で物凄く大事なファクターだと考えております。

特に猫さんなんかは、好みの水の飲み方みたいなのがありますよね。

蛇口から飲むのが好きな子、お風呂の水とかが好きな子

新鮮な水しか飲まない子も少なくありません。

ご飯をふやかしたりして、飲水量を確保するのも食べてくれるなら良い手段となります。

(歯周病の観点からすれば、ドライフードの方が良いかもしれませんが

あくまで、ここでは如何に飲水量を確保するかという点で書いています。)

ですので

慢性腎臓病以外の疾患によって、食事量や飲水量が減少してしまうのであれば

その原因にアプローチしていくというのも

広義では慢性腎臓病の管理と呼べるのではないかなと考えております。

今日は18歳の慢性腎臓病ステージ1〜2ぐらいの猫さんの抜歯の手術でした。

『いやいや、高齢でしかも腎臓が悪い子に全身麻酔をかけるとかありえんでしょ?』と言う人もいるのかもしれません。

もちろん、ご家族とはしっかり相談させていただきました。

全身麻酔をして抜歯をするメリットと

全身麻酔によるデメリット

どっちが大きいかをきっちり考え相談した上で、今日の手術を行うという結論になりました。

無事に猫さんは元気そうに帰りましたが

手術をやってよかったかどうかの判定は今後の経過次第だと思います。

僕はこの手術でこの猫さんが口の痛みから解放されて

食事量が増えるのであれば、腎臓病にとっても良い方向に働くんじゃないかと考えておりまして

確かに1週間とか2週間とかの短い時間だけ考えるのであれば

抗菌薬とかステロイドで口の痛みに対してごまかして管理するのもありなのかもしれません。

でも、この後数ヶ月、半年、一年、二年と

この先の猫さんの慢性腎臓病と付き合うのなら

歯周病の治療を全身麻酔かけてでもやってあげた方が良いと考えました。

今日の手術はその結果です。

意見は色々とあるとは思います。

やや話が脱線しましたが

言いたかったのは

食べること・水を飲むことって

慢性腎臓病にとって、めちゃくちゃ大事なんですよってことです。

それでは、今日はこのへんにしておきまして

また明日から続きを書いていきましょうか?

もう飽きてきてますか?そうでもないですか?

とりあえず最後まで頑張って続けたいと思います。

それでは!

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