みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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醍醐味

昨日の(正確には今日の)ブログの記事やインスタに

夜オペのことを書いたためか

今日の午前中はほとんど誰もいらっしゃることなく

すごーく静かな動物病院でした。

本当にそうなのか定かではないですし

ただ暇な動物病院だったのかもしれませんが

お気遣いいただいていたのであれば、ありがとうございました。

気にされていた方もいらっしゃったので、どんな感じだったのか書かせていただこうかと思います。

昨日最後の手術は脾臓という臓器にできた腫瘍を脾臓ごと摘出する手術でした。

午前中までいつもと何も変わらず元気に過ごしていた14歳のわんちゃんが

午後3時頃に急に元気がなくなり、立つことも難しくなりました。

いつも病院の診察台ではじっとしていることが難しく体重測定するのも大変な子が

夕方当院にいらした際には、診察台の上でじっとしていました。

体温測定では問題なかったものの

明らかにマズルや四肢末端の皮膚温が低く

身体検査的にはショック状態に陥る一歩手前みたいな感じでした。

すぐに超音波検査を行います。

お腹の中に水が溜まっているのがわかります。

脾臓の腫瘍が画面上に映し出されました。

心タンポナーデは否定されたので、十中八九、脾臓腫瘤の破裂による出血性ショックです。

腹水を抜いて出血であることは確認できたので

ご家族と相談の末、夜に緊急手術となりました。

オペができる状態まで内科的に改善させる必要があったのと

緊急度がこの子よりも高いこの手術が先に入っていたので

結局手術がスタートしたのは23時を少し過ぎたあたりでした。

手術が終了し、麻酔から覚醒したのが大体0時30分頃でしょうか。

そこから一晩モニタリングを続けさせていただいて

4時頃からやっと意識レベルの改善が認められ

朝の8時30分の時点では院内を歩き回ってくれておりました↓

で、本日の昼の12時ぐらいの動画がこちら↓

すごい食欲ですね。

手術が終わって12時間後の14歳のわんちゃんとは思えない力強さです。

術後の再出血なども今のところなく

血液検査や超音波検査のモニタリング上も全く問題がない経過を辿ってくれております。

今はケージの中で遠吠えしてくれているような状況なので

今のところ明日退院予定としております。

この子はずっと当院に通っていただいているわんちゃんで

去年も一昨年もなんだかんだ全身麻酔をかけて手術をしています。

クラウドファンディング最終日の最後の瞬間を

この子の緊急手術で迎えることができたのは、ある意味当院らしくて良かったのかもしれません。

今日の朝、この子が院内を歩き回ってくれた姿を見ていて少し泣きそうになりました。

こういう瞬間を体験できるから、この仕事はやめられないんだと思います。

昨日わんちゃんをお預かりする時に

ご家族にはもう会えないかもしれないリスクをお話したわけですが

そのご家族と今日嘘みたいに元気な姿で会ってもらうことができる

その達成感はなかなか言葉では言い表すことができません。

これがこの仕事の醍醐味なんじゃないかなと思います。

疲れなんてどっかに吹っ飛んでいってしまうわけです。

昨日手術をしたもう一人のわんちゃんも今は元気そうに歩いてくれておりますし

手術が無事に終わって二人とも本当に良かったなと思います。

ただ、今回はたまたま対応が可能であったから良かったものの

やはり当院はあらゆる症例に対応しきるだけのマンパワーというものは現状持ち合わせていないわけでして

偶々うまくいったに過ぎないのかもしれません。

やっぱり24時間365日対応が可能な動物病院って素敵ですよね。

どうにか将来的にはそういう体制が取れるような動物病院へと成長させたいもんですね。

それでは、今日はこのへんで失礼いたします。

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