みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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老衰死とは何か?

本日、当院の駐車場で

名前も知らない方からたまたま質問をされました。

『21歳の猫が一週間前から急に痩せてきてしまったんですが

何かできることはありますか?』

というご質問でした。

この問いに対する僕の回答は

痩せてきてしまった原因を検査して、それに対する治療を検討することができます、という回答です。

そうすると、その方は

『色々とするのは可哀想ではないですか?』とおっしゃっていました。

おそらく、21歳という歳だからもう老衰に近いし

何かするのは可哀想だ、というお考えだったのかなと思います。

21歳の猫さんに対して医療行為を実施することを可哀想と捉えるか

はたまた何もしてあげないことを可哀想と捉えるか

これは人それぞれだと思います。

そこに答えはないと思います。

ですが、当院は動物病院なので

基本的に動物病院は医療行為を行うことを業務としております。

すでに診断がついている子であるならまだしも

何も状況がわからない子に対して、この子は老衰なので何もできません、とは基本的に答えることができません。

申し訳ございません。

で、ここからは老衰とはなんぞや?ということを少し考えてみたいと思います。

老衰死とはwikipediaさんによると

『加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下し

多臓器不全により恒常性の維持・生命活動ができなくなることが原因で死亡すること。』

だそうです。

結構大事なポイントとして

現代の医療では、どんな病気だとしても

基本的には老衰を目指した治療やケアをしている、という点と

老衰死というのは最も苦痛のない死に方とされている、ということです。

ここが病気で亡くなることと、老衰で亡くなることの大きな違いかと思います。

先述の質問の方の猫さんに何の病気も隠れていなければ

確かに老衰として良いのかもしれせんが

老衰で急に痩せてくることっていうのは通常ないと思うので

何か病気が隠れている可能性が高いと思われます。

それだと医学的にはどうしても老衰とは言えないわけです。

ただ、そんなことを言い出したら

医学的な老衰死を経験することなんて動物の場合はほとんどないと思います。

実際に、人間の方でも老衰死の割合はそれほど高いわけではありません。

何かしらの病気で亡くなる人の方が数としては多いかと思います。

それであれば動物もおそらくそれは変わらないでしょう。

ですが、あくまでもそれは医学的な老衰の話であって

そこに家族の心情・感情というものをきちんと考慮しないといけません。

実際、21歳の猫さんであれば

結構頑張って長生きしてくれている方の年齢だとは思いますし

20歳を超えた猫さんが亡くなった時に

それを老衰だったと、ご家族が捉えることに何ら違和感はないと思います。

心理的な老衰、とでもいいましょうか

そういった気持ちは人間誰しも持っているのではないかなと、僕も思います。

僕自身は、動物医療を提供する側の人間なので

どうしても医学的な考え方をしなければいけない場面が多くなってしまいますし

動物病院で働いていると亡くなる子達に接する場面は

基本的に病気の子たちしかいないことになります。

なので、僕は心理的な老衰に立ち会う場面はあっても

今まで医学的な老衰で亡くなった犬さん・猫さんには出会ったことがないのだと思います。

老衰で亡くなることが最も苦痛の少ない死なのだとすれば

心臓疾患なり腎臓疾患なりで内科的な管理をしていく中で

究極の目標は、みんな老衰で亡くなってもらうことなんだろうな、と思うわけですね。

その境地に辿り着けていないのであれば、まだまだ未熟ということです。

医学の発展とともに、自分たちの医療レベルも向上していけば

25歳前後とかで亡くなる犬さん・猫さんが医学的な老衰で亡くなる、という場面に立ち会うことも増えてくるのかもしれません。

色々と書きましたが

そういった未来に少しでも近づけるよう頑張りたいと思います。

それでは今日はこのへんで失礼いたします。

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