みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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猫さんの慢性腎臓病の治療戦略

こんな表題の座談会みたいなセミナーを聴いています。

2時間ぐらいの内容で、今日公開されたばかりなので

まだ全てを聞き終わっていないのですが

猫さんの慢性腎臓病の治療について

4人の先生方が討論している形式のセミナーになっています。

協賛が東レ株式会社さんなので

ラプロス(薬剤名:ベラプロストナトリウム)というお薬にやや忖度があるような気がする内容ではありますし

先生方の意見にやや賛同しかねる箇所もありものの

ちょいちょい面白そうな内容もありそうなので、何かの参考になりそうな気がします。

このセミナーで出てきたスライドにこんなのがあります↓

これは慢性腎臓病の猫さんのステージ毎の中央生存期間を示したもので

当然かもしれませんが、ステージが上がる毎に生存期間が短くなっているのがわかります。

ステージ分類ってなんぞや?となるかもしれないので、こちらのスライドも宜しければご参考までに載せておきます↓

基本的には、血液検査項目である血中クレアチニンやSDMAを参考にステージングを行います。

(クレアチニンとSDMAでステージが異なる場合は、高い方をその子のステージとして判断するとされております。)

上記の二つのスライドを合わせると

クレアチニンが5.0を超えるような慢性腎臓病の猫さんの

半分以上の子達はだいたい1ヶ月、長くても3ヶ月で亡くなってしまうということになります。

僕の仕事、当院の目標は

この報告たちの記録をまずは超えること

その上でこの数値の何倍も長く生きてもらうことです。

もちろん、ただ生きるのではなく

ご飯をきちんと食べることができて、猫さんらしい生活を送ることができるのが理想です。

もちろん、そんな理想、そうそう上手く実現できるものではないとは思うですが

ちょうど1年前に当院を初めて受診された15歳の猫さんがいらっしゃいます。

その子の初診時のクレアチニンは 10ちょうどぐらいでした。

そこから初期の点滴治療により、大体クレアチニンが7.0ぐらいまで低下し

貧血に対する治療、低カリウムに対する治療、食欲増進剤の使用などを行いながら

1ヶ月弱ぐらいで食欲は改善し

そこから皮下点滴をすることもなく、良好に経過してくれました。

1ヶ月毎に再診に来るたびに体重はどんどん増えていき

飼い主様曰く元気な頃の姿に戻ってくれています。

ですが、クレアチニンはずっと高いままで、7.0前後をずっと推移しています。

BUNも100以上ありますが

食欲もあり脱水もしていないので

特に皮下点滴などの治療はせず、薬も飲んでおりません。

1ヶ月半から2ヶ月に一度、経過観察をさせていただいている感じになります。

その子が今日で初めて病院に来た日から、370日ぐらい経過することになりますので

上記の報告を大幅に超えることに成功しているわけです。

もちろん、こういった上手くいくケースばかりではないのですが

こういう症例を増やすことができれば

猫さんの寿命をもっと伸ばすことができると思います。

良くなる子と良くならない子で何が違うのか?

そこをしっかり検討しながら、慢性腎臓病の治療戦略を立てていきたいと思いますし

できればもっとアップデートしていきたいと思います。

慢性腎臓病でお悩みの猫さんなどいらっしゃいましたら

ぜひ一度、当院までお越しください。

何か違う治療選択を提示できるかもしれません。

それでは、今日はこのへんで失礼いたします。

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