みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。
慢性腎臓病の原因や現在の病期(病気の進行具合)を正確に判断するためにはちゃんとした検査が必要です。
残念なことに多くの動物病院では一般的な血液検査だけで腎臓の数値(BUNやCre、Pなど)が上昇しているだけで腎臓病と診断される場合がかなり存在します。
健康診断時にこれらの数値が高いからという理由だけで、腎臓病と診断され薬を処方され続けているという状態になっている犬さん・猫さんを目にすることも多いです。
もしかしたら、これらの中には本当に腎臓病を持っており、投薬が必要な子がいたのかもしれません。
しかし、多くの場合、それ以上の検査をされていないことが多く、盲目的に薬を処方されてしまっている状態です。
慢性腎臓病について、適切な治療をおこなうためには、もっと詳しく現在の動物たちの体や腎臓の状態を把握しなければなりません。
他院からいらっしゃった患者様とお話ししていると
『尿検査なんて今まで一度もしたことがない』とおっしゃる方も少なくありません。
それなのに腎臓病と診断されてしまっている子も数多くいらっしゃいます。
当院は国際的なガイドラインに則り、犬さん・猫さんの慢性腎臓病の診断・治療方針の決定を行っています。
*当院が慢性腎臓病の診断・モニタリング時に検査する項目は以下の通りです↓*
・血液検査(NaKCl,BUN,Cre,TP,ALB,Ca,IP,Mg,)
・血液特殊検査(SDMA,FGF23,イオン化カルシウム,上皮小体ホルモン)
・尿検査(一般的な尿検査,尿タンパククレアチニン比の測定、尿タンパクアルブミン比の測定)
・血圧測定
・腹部レントゲン検査
・腹部超音波検査
これらの検査結果を必要に応じて組み合わせることにより
その子の腎臓病の状態をより詳細に評価し、必要な治療プランを組み立てていきます。
慢性腎臓病は、血液検査だけで診断してはいけませんし
血液検査だけでは適切な治療プランを組み立てることは不可能です。
「慢性腎不全」という言葉を耳にしたことのある方も多いかもしれません。
いまだに慢性腎不全と言われる先生もいらっしゃいますが
慢性腎不全はいわゆる末期的な状態を示す言葉で、現在は人も動物も慢性腎臓病という言葉を使います。
患者様にわかりやすく説明するために、あえて慢性腎不全という言葉を使われているのかもしれませんが
慢性腎不全という言葉を使用されている時点で、腎臓病にはあまり精通されていない先生の可能性は高いと思われます。
特に、血液検査で腎臓の数値が高いという理由だけで、『腎不全です』というのは基本的には間違いです。
慢性腎不全ではなく、慢性腎臓病の治療を一緒に考えてくれる動物病院を選択されることをお勧めします。
血液検査の数値だけでなく、他の検査も組み合わせることで
正しく慢性腎臓病の病状を把握できるように努めてくれる動物病院を選びましょう。